ぺりグ

数えたら今年で6年

ガンガンいこうぜのガンガンは言葉の発明?

なんかドラクエから生まれた言葉って、すでに一般大衆的にも浸透している気がする。

 

 

もともとこの「ガンガンいこうぜ」は、DQ4においてAI戦闘が初登場した際に生まれた作戦名である。

(この頃から、ドラクエはAIを駆使してゲームに組み込むなど、先見の明が鋭い)

ガンガンいこうぜは、攻撃特化の作戦様式で、主にキャラクターの最大攻撃をAIがモンスターごとに判断して選択するというもの。

最近のシリーズでは、モンスターに通用する属性や減衰されるかもしれない攻撃を避けるように賢くなり、人の手で操作するよりも優れた相棒として、助けてくれる。

ただ、本来DQ4では、様々なキャラクターが勇者のもとに集うというコンセプトから、戦闘中においても導かれし面々一人一人に個性があると表現したくてAI戦闘を導入した模様。だからクリフトのザラキ連打もある意味、彼の性格をあらわしているのかもしれない。神官にしては純情な感情が空回りしたり、意外と気が細やかでひと言余計なことを呟いてしまうなど、いかにも彼らしいお茶目な個性があふれていると思う。

 

 

 

他にも作戦名は有名なものが多い。

日常生活でもよく使うであろう「いのちだいじに」や会社の上司に言われると気が滅入る「めいれいさせろ」など、ドラクエを深くは知らない人でも聞いたことがあるだろう。

 

月刊少年ガンガン 2024年10月号 [雑誌]

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こちらの月刊少年ガンガンは、この作戦名「ガンガンいこうぜ」が由来になっている。

発行元をみればわかる通り、スクエアエニックス(当時:エニックス)はドラクエの情報誌をかなり早い段階で作りたかった模様。そのため、創刊初期はドラクエ4コマ劇場やロトの紋章など、ドラクエ漫画が掲載され人気を博したが、情報誌としての側面は週刊少年ジャンプに追いつけず、ドラクエ一本で漫画雑誌を維持するのは厳しかったためか、漫画雑誌として名作は数あれど、本来のコンセプトが現在に残っているとは言い難い。(参考:DQ大辞典を作ろうぜ!!等)

そう考えると、ドラクエの経済効果というか波及効果というか、どれくらいの文化的側面へのアプローチがあったか。それが分からないでもない。

ドラゴンクエスト自体が生んだという文化のあるのだろうと思った。

そこでタイトルに戻る。

ガンガンいこうぜ、この「ガンガン」とはいったいどんな意味なのか?

がんがんとは、

1 音や声が大きく響くさま。やかましく聞こえるさま。「ドラム缶を—(と)たたく」「そんなに—言わないでくれ」

2 頭の中で大きな音が響くように、ひどく痛むさま。「二日酔いで頭が—する」

3 勢いが盛んで激しいさま。「ストーブを—燃やす」「—勉強する」

というような意味がある

(出典:辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書

この3の意味のように、盛んで激しいさまをあらわしているところから取られた「ガンガン」なのだと推察できる。

とにかく勢いよく行こうぜ!という感じから、一気呵成に攻め込むという作戦をつなげてネーミングしたと思われる。

ガンガンだけだと、オノマトペとしての1に意味あいが近いように思われるが、大きくてやかましい音というだけだと、意味が通じない。

ガンガンとは、硬いもの同士が何度もぶつかる鈍い音の表現。とあるが、バブル期のイケイケやブイブイという俗語的にガンガンにも意味が増えたのではないか。

(出典:笑える国語辞典

と言及するサイトもある通り、本来は音の表現だけであった「がんがん」に、「ガンガン」という別の勢いのある様子をあらわす意味が追加されたのでは?と考えた。日本語特有の「がん」を繰り返す擬音表現が広まるのと共に、この言葉も一般流通していったのではないだろうか。

舟を編むでも観たが、辞書はその時代で使われる言葉に沿って新しく、語源を損なわないようにその意味を変えていく。それはあくまでも自然で、流麗な日本語の文化を損なわないよう細心の注意が払われるが、やはり言葉は使っている人がいてこそのものだと知れる。

ここまで文化的で、言葉として流通していったものならば、ひとつの言葉を生み出せていてもおかしくはない。

音の感じから、ガンガンという新たな意味を造り、あくまで自然にそれでいて流麗な言葉としての感じを正しく受け取れるように、この作戦名「ガンガンいこうぜ」が生み出されていたとしても、何ら不思議はない。〈了〉

 

 

 

 

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それはそれとして、上のガンガンの巻頭「黄泉のツガイ」が好きすぎる。やっぱ荒川先生最強。

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