これから毎週、日曜日は過去に掲載していた記事を晒すコーナー!をやります。
過去の文章のアーカイブという側面もありますが、単純に何年も前に書いた恥部を晒すのであんまり見てほしくないわけです。
なので日曜日にひっそりとお送りしようかな。と思い至り、ここに記しています。
しばらくはnoteから抜粋します。
noteは今、メンバーシップなど有料コンテンツを置こうかと模索しているところで、過去にのんびりやっていたころとは様変わりしています。
まあnote事態もどんどん変わっていっていますからね。ではどうぞ。
140文字ノベル〈待ち人シリーズ〉Ⅰ
『どこにいるの』とメール。
そしたら『もうすぐホーム』なんていうもんだから…寒いけど、とっても寒いけど、吹き晒しで木造で色褪せこけたいつもの駅の、ベンチに猫背で座っている。
2時間待った電話する「いまどこなのよ」『いま家よ』スチール缶を放り投げた。
140文字ノベル〈待ち人シリーズ〉Ⅱ
手紙をしたためる『大事な話があるの』と。
クラシックの流れに身を委ねつつ、今に店の扉がひらいてあなたが笑いかけてくれることを祈る。
でも、来ない…。
手の中には便箋。
『ごめん』あなたの筆跡。
私はもう温くなったアイス珈琲にようやくシロップを落とした。
140文字ノベル〈待ち人シリーズ〉Ⅲ
ぐらぐら煮える。うんまそうだなあ。
「うわっぷ!」おいおい、のぞきこんだら眼鏡が真っ白だぜ。
立ち上がる湯気にのって出汁の染みるにおいが唾液をノックする。
「だ、だめだ!もう食べていいよな!?」
「だぁーめ。白菜入れたばかりよ」
ぐあぁっ…早く、食いたいっ!
〈了〉