ぺりグ

数えたら今年で6年

CAFEママのパンケーキパーティーへようこそ〔あまーい誘惑SHOWAのホットケーキミックス〕

現在、絶賛なつやすみを満喫中の我が子。

ふわふわパンケーキをぱくぱく。

これが昼食だというのだから、辛党のとーちゃんはおどろきだ。

お盆なので、仕事も子どももお休みで久しぶりの親子水入らず。おはようからおやすみまで、ずーっと子どもに顔をこすりつけている。そのたびに蹴飛ばされている。

そんな家族団らんのなか、パンケーキを食べたいと言う子どものために、かーちゃんがすくっと立ち上がって言った。

今日のお昼はパンケーキパーティーよ!

ぱ、ぱんけーきぱーてぃ?

ちょっと聞き慣れない言葉が降ってきて戸惑っているとーちゃん。え、知らない?と、さも当然かのように手際よく用意しはじめるかーちゃん。

いやいやいや、お昼は。って言ったよね?つまり、お昼ご飯代わりにパンケーキを食べるぞってこと?それってアリなの?とーちゃん、パンケーキなんて小学校以来ろくに食べた記憶がないんだけれども?

もうお米なんて食べれないよぉーってなるくらい、パンケーキって腹にたまるものなの?食事代わりになるほどの代物?

つべこべいわずに食べてみなよ

ぴしゃりと言い放ったかーちゃんの目は座っていた。

だめだ。こりゃ。

パンケーキに脳が支配されている。これ以上の追及は、炊事場から果物ナイフを投げつけられそうだ。

 

 

そして昼。

バターの香りが家じゅうに充満していた。

「ふわあ、おいしそうだねえ」

おお、息子よ。この幸せの香りというやつが理解できるのかい。いい鼻をしている。

最近、料理に目覚め始め、スクランブルエッグを大量に作っている我が子。

もりもり晩ご飯をたいらげたあとに決まって、

「たまご、くるくるしたい」と言う。

どこぞの男子料理人のように、料理中に大量のつまみ食いをする息子。

最近、冷蔵庫の中身がみるみるなくなっていく。

早くもエンゲル係数がえぐいことになり始めている。フトコロが寒い。

「甘いのが苦手って言ってたからさ」

と、かーちゃんがフライパンいっぱいにパンケーキを焼き始めたが、何か様子がおかしい。

おや?このベジタブルミックスは?

す、すごい。なんだこれ。パンケーキか?

初めて遭遇した未知の味。惣菜パンケーキが目の前にあった。

焼いている途中はたじろいだものの、出来映えは普通のパンケーキに見える。ちょっと分厚い気もするが。

うまいうまい、と口に運ぶ子を尻目に、とーちゃんもひとくち。

がぶり。

んン!?

すごい!!甘くない!!ごはんみたい!!

「ケチャップでもマヨネーズでもメイプルでもお好みで」

と、出された辛い系の味付け三銃士。え、メイプル?

甘いのも、辛いのも、たぶん合うと思う。と言われ、半信半疑でケチャップを手に取る。

んン!?

すごい!!ケチャパン!!おいしい!!

いやでも、さすがにマヨネーズはさ。

お好み焼きじゃないんだからさ。とマヨをぬりぬり。

んン!?

すごい!!合う!!ソースもつけたらこれ完全にお好み焼きだわ!!

最後に、メイプルをひと睨み。

うそでしょう?さすがに「辛」「辛」ときて、「甘」は舌も慣れちゃってるし、受け入れられないと思うんだ。あたしは。合うわけないと思うんだよ。

ちょこっとだけメイプルをすくい、口に運ぶ。

んン!?

すごい!!甘あアアアい!!でもうまあアアアい!!なんでえええ!?

すごいぞ惣菜パンケーキ。

甘いも辛いもどっちもいけちゃう。何でもいけるじゃないか。すごいぞ。

こう見えても、辛いものと甘いもののマリアージュは、酢豚のパイナップルでも認めてねえぞって派閥のぺりめに。そんなあたしが、こうも簡単に陥落するとは。

甘いものに口が変わると、そのまま甘いものを食べたくなるもので、

ついつい普通のパンケーキもメイプルをたっぷりつけてたいらげてしまった。

げふう。う、うっぷ。

はあー、食べた食べた。お腹いっぱいだああ。満たされた。

げっぷ?満たされた?

な、なんか、胃の中でパンケーキが膨張しているような。

ぐ、ぐうう。お腹いっぱい!すっごいお腹いっぱい!はち切れそう!

聞いたところによると、SHOWAのホットケーキミックスで作ったとのこと。ああ、あの、ラジオCMでもよく聞く魔法のお好み焼き粉とかの?

 

 

このホットケーキお腹いっぱいになるし、ふわふわなのにしっかりとつまっていて充足感がすごい。

もうこれ以外なにも食べられない。

お昼ごはんの代わりになりました。もうほんとお腹120%

知らなかった。パンケーキがこんなにごはん代わりになるなんて。重たいお腹をさすりながら、ホットケーキミックスの袋を手にした。

昭和産業と日清製粉ウェルナが二大巨頭なんだよ。と、パンケーキの化身となったかーちゃんが言う。

 

 

なんでそんなに詳しいんだ?と聞くと。そりゃあ、

「好きだから」

と目を輝かせるかーちゃんは、幸せそうにパンケーキをほおばっている。こういうことか。違う文化圏の誰かと一緒に過ごすってことは。

でも、まさかこんな体験ができるとは思っておらずめちゃくちゃ新鮮だった。

なんでも体験すると価値観は共有できるものだ、と分かった。またパンケーキパーティーやるよ、となっても抵抗感なく息子と小躍りできるだろう。

「なんか、テレビでSHOWAのホットケーキが話題になって、一時期スーパーの棚から消えてたからね」

へえー。そうなんだ。と相づちを打ったものの。

そうか、いつも棚をチェックはしていたんだね。いつか何かの拍子で作れるように用意していたんだね。そういえば今日も、すっとウチの棚から出てきたもんね。いつ買っていたんだい?

という長尺の言葉をぐっと飲み込み、笑顔を作った。またパーティーが開催される日はそう遠くないだろう。

 

 

 

 

 

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